
アガるんです。めっちゃアガるんです。
いや、テンションの話ではなく。
緊張しやすいってことなんです。
こういう自分がたまにイヤになるんです。
筆者サナトが会社に入って数年して、新人の指導をしていた時のこと。当の新人から言われた言葉です。新人研修の発表を前に、おびえた子犬のような目でこちらを見ていた彼。
これ、僕もそうだからすっっごいよく分かるんです。 当然、弟のように相談に乗り続けましたよ。
友達や同僚など、自分と条件が同じで同格のヤツがとてもうまく立ち回る。その一方で自分が出来ないことで、無能を晒したように感じて、ヘコみまくってしまう。
そこまで気にしない人も多いですが、気にしちゃう人はとことん考えてしまうんです。僕みたいに。(ほんとうは誰もそんなに気にしていないのに関わらず…)
この記事では、そんな緊張感に伴うネガティブな気持ちを、少しやわらげる情報を2つお伝えします。そのなかで、緊張感をゼロにすることはできるか、またゼロにしたらどういう世界が見えるのか、についても触れています。
この記事を読むと、こんなことが分かります。
- ”緊張しやすい人”が、世の中にどれだけいるか
- 緊張を一切なくすことはできるか
- 緊張感があなたに与える意外な効能
それでは見ていきましょう。
緊張/アガり症で悩む人は実は超・超・多い
5人に1人のHSP
まず1つ目の情報は、緊張感を強く感じる人の割合の多さです。
緊張感を感じている時、同時に孤独感にさいなまれたことはないでしょうか。そんなあなたにお伝えしておきたいことがあります。実は世の中の5人に1人は、先天的に物事に動揺しやすい気質を持つと言われています。
これらの人は、心理学の用語でHSP―Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)―と称されます。病気の名称ではなく、人いちばい敏感な気質であることを指す言葉です。緊張だけでなく、音や光といった外からの刺激を強く受け止め過ぎてしまう人が当たります。1996年にエレイン・N・アーロンというアメリカの心理学者が提唱した概念で、それ以降「繊細な人」に感する書籍や、自覚のある方のための心理外来が出来るなど、社会的に認知が広がっています。
30人のクラスがあれば6人も”緊張しい”がいるということです。なので、緊張しがちであるということ自体はまったく特別なことではありません。
HSPと感じても大丈夫


これらは緊張を増幅させる、HSPにありがちな気質です。
- 失敗のイメージにとらわれる
- 他人の評価を気にしすぎる



これ、自分のことだわー・・・
一生この性格と付き合わないといけないのかな
大丈夫です。新しい考え方を知ることで受け止め方を変えたり、良い成功体験を重ねることで少しずつ改善していくことは可能です。



世の中に苦しんでいる同志は多いです
あなたが直面している緊張の要因を取り除けるのは、あなただけかも知れません。しかし、どうしても苦しい時は、HSPを扱う心療内科にご相談してみるのも良いと思います。たくさんの方が、緊張からくる不安に苦しんでいます。専門家の元にはそれらの相談事例が溜まっており、あなたに適したアドバイスもしてくれると思います。
また、医学的には過度な対人不安を抱える状態のことを、社交不安障害/SAD―Social Anxiety Disorder(ソーシャル・アングザイエティ・ディスオーダー )―と呼びます。不安から、面接やプレゼンの予定をキャンセルするなどしたら心身不調のサインです。それは気質というより、心の病に罹っているかもしれません。専門医療機関に相談することをお勧めします。
アガり症を克服できた
ちなみに僕も、もともと酷いアガり症で、本番で失敗しがちな人間です。セルフテストを行ったところ、ギリギリHSPに該当しました。



思い当たる節はありますよ。とにかく人前に出るのが苦手でしたし!
バイトや就職面接の前など、うまくいくイメージが持てなくて、いつも憂鬱になっていました。本番で早口になったり、訳の分からんことを言い出したり、汗をかいてジタバタしたり。知らない人への電話も大嫌い。
高鳴る胸を抑えて、「どうしちまったんだ、オラのからだ…」と、自分を情けなく感じたものです。



そんな僕ですが、現在はトレーニングによって、ある程度は克服することができました。
今でも緊張しますが、その状態にネガティブな印象を持たなくなっています。要因の一つとして、次の章でお話する良い側面に目を向けたのが大きいです。
適度な緊張感のもたらす高パフォーマンス
緊張をなくすことは出来るか



緊張を無くすことはできねえのかな?
抑える方法はあります。
しかし、緊張をゼロにすることはできないと思います。というのも、不慣れな状況に緊張してしまうことは、危機対応のための本能だからです。
僕自身、人前で話すことに恐怖を覚えなくなったものの、やっぱり本番を控えた15分前などは緊張します。
緊張感の良い効能|ヤーキーズ・ドットソンの法則
緊張すること自体は、実は決して悪いことではありません。
適度な緊張感は、パフォーマンスを高めることも知られています。
これは「ヤーキーズ・ドットソンの法則」あるいは「逆U字仮説」と呼ばれています。
こちらは、パフォーマンスと緊張感の関係性を表した図です。


図では山のピークが真ん中になっています。しかし、人によってこのピークは右に寄ったり左に寄ったりします。緊張に弱い人は、山のピークが左に寄っている状態と言えますね。
また、あまりにも緊張感がないと、パフォーマンスが下がってしまうという点もおもしろいところです!
「勝っても負けてもどうでもいいやー」と思って戦っても、最高の体の動きにはならないのですね。
サナトが大学受験に取り組んでいた頃のことです。 本命を数週間後に控え、まずは滑り止めの試験がありました。模試の結果からして、余裕で受かると思っていました。試験が終わったあと、一緒に受験したクラスの女子二人に「まぁこのへんは余裕だよね」みたいにカッコつけて話をしたのを覚えています。二人は「えー?あたし自信ないよぉ」と言ってたのですが。蓋を開けてみたら僕だけ落ちてましたね。僕は緊張感が無さすぎて集中力を引き出せていなかったのかも知れません。



うわあ、だせー



いやほんとに。穴があったら入りたかったです
話を戻しますが、ちょうどよい緊張状態は、パフォーマンスを高めます。図の山のピーク近辺に至ることを、スポーツの世界では「ゾーンに入る」と表現されています。いつもより精度の高いプレイ、集中力が発揮できるためです。


だから緊張しやすいあなたも、バクバクと心臓が高鳴った時に、すぐに「ヤバいヤバい」と焦らなくても大丈夫なんです!
上で見たように、我々の体はあるていどの緊張状態ならば、パフォーマンスが高まるよう設計されているからです。誰だって緊張します。焦りが焦りを生んで調子を崩す前に、この話を思い出してみてください。
スポーツの一流アスリートは緊張しないのか
かのイチロー選手は、緊張にまつわることでこのような言葉を残しています。
僕、常に緊張していますよ。
どの競技でもそうですよ。「いやぁ、意外と緊張しなかったですね」なんて言うやつは、一流じゃないです。全然ダメ。
だって、自分の仕事に対して自信がある、やれる自信がある。やるための訓練もしてきた。
だったら緊張するでしょ?
うまく出来ると信じてるし、うまくやりたいと思うから。その時ほど緊張するじゃないですか。
今さら言うまでもないですが、レジェンドですよ。日米の野球界において、とてつもない実績を何年も継続して残した方です。その方の感覚でも、常に傍らに緊張感があったのです。
なので、緊張感を無くすことに意識を傾けるよりは、それをうまく抑えて良いパフォーマンスを引き出すよう、前向きに切り替えできると良いですね。
また、スピーチのように事前に準備ができる場面であれば、さらに緊張を和らげて結果を高める方法もあります。これは別の記事で体験談も交えご紹介したいと思います。
ちなみに、冒頭で紹介した会社の後輩とは、事前準備から一緒にしっかりやったので、本番は見事にやりきることができました。
まとめ
以上”緊張しやすい”が少しやわらぐ2つのテーマについて解説してきました。
要点をまとめます。
- 緊張に弱い人間は5人に一人。苦しんでいるのはあなただけではない
- 緊張を完全に無くすのは難しい。無くすとパフォーマンスも落ちる
- 適度な緊張感はパフォーマンスを高める良い側面もある
- 成功を期すからこそ、一流だって緊張する
緊張そのものに対する嫌なイメージを、少しでも払拭できるヒントになっていれば幸いです
明日もあなたにとって良い日になりますように!
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