
・理由がよく分からない不安な気持ちが続く…
・自分が何をどうしたいのかよく分からない
・考えを整理するスキルを得たい
・時間もお金もかけずにストレスを解消したい
今回は、そんな悩みを解決する方法の一つとして、「ジャーナリング」についてご紹介したいと思います。
ジャーナリングは、”書く瞑想”とも呼ばれるもので、ノートに思いつくまま考えをつづっていきます。
自己肯定感が上がり、コンプレックスの解消にも効果がありますよ!!



”書く瞑想”? 難しそうだなあ。めんどいのゴメンだけど



意外とかんたんで誰でも出来るので、この記事を読めばすぐ実践できますよ
- ジャーナリングとはなにか
- ジャーナリングがもたらす思考整理とメンタルへの好影響
- 研究による効果の裏付け
- 具体的な実践方法
それでは見ていきましょう。以下の目次からお好きなところへジャンプできます。
ジャーナリングは書くことで頭を整理するメソッド


“書く瞑想”とも呼ばれるジャーナリングとは
冒頭でも述べたとおり、ジャーナリングは別名”書く瞑想”とも呼ばれています。一定時間のあいだ頭に浮かぶことを自由にノートに書き出すことで、考えを整理したりストレスを軽減するなどのメリットを得られる手法です。
「自分がやりたいことは」
「仕事の課題は」
「何が自分を困らせているのか」
など、何らかのテーマを設定して、10分程度の時間で区切るのがスタンダードなやり方です。
その際は誤字脱字は気にせず、一切のタブーも無し。
なるべく手を止めずに、思いつくまま書きまくるようにします。
ジャーナリングは、自己認識や内省の手法としてGoogleも注目
ジャーナル/Journal という言葉には、「雑誌のような文章媒体」という意味と、「日記・日報」という意味もあります。そこから派生して生まれた言葉のようです。
近年、マインドフルネス瞑想がストレス軽減や心の整理方法として注目されています。その大きなきっかけとなったのが、Google本社でリーダーシップ研修としてマインドフルネスが取り入れられたことです。
「Search Inside Yourself」というプログラムで、その内容を紹介した本も出ています。これは自己認識および内省を促す研修です。


そして、ジャーナリングはこのプログラムの一環として、組み込まれているのです。
ジャーナリングの有効性はGoogleにも認められているということですね。
紙に書くことの有用性は、数々の研究で実証されている
手書きは、キーボード入力に比べて脳が活性化することが判明
ジャーナリングのポイントは、手書きで行うということです。
それによって、頭の中のさまざまなことが思いがけず紙面に広がっていきます。



スマホのメールとか、パソコンのメモでもいいんじゃない?



手書きの場合、フリック入力やキーボード入力に比べて、より脳が活性化されることが分かっています
手書きは、
・ペンを適度な強さで握る
・文字を思い出す
・力加減を調節して文字を描く …etc
といった、複雑な脳の処理が必要です。脳内で使用する領域も異なり、それぞれが連携しなければこの動作は出来ません。
これにより、手が走るなかで脳の各領域が刺激され、より創造的な筆記につながるというわけですね。


以下は、手書きが脳の活性化に影響することを裏付けた研究結果の一つです。
ノルウェー科学技術大学では、手書きとキーボード入力が脳に与える影響を調査するため、下記のグループでそれぞれ実験を行いました。
・20代の男女12人
・平均12歳の男女12人
彼らは頭部に254個のセンサが付いたヘッドセットを装着し、目の前のスクリーンに表示された内容を書き取りました。そして、その際に脳の各領域でどのような変化があるかが調べられたのです。



どうして20代と12歳を比べたんだろう



識字能力の差が結果に影響するかを調べるためだそうです
結果は、12歳のグループの方が若干反応が弱かったものの、どちらのグループにおいても、キーボード入力に比べて手書きの方が脳の活動が活発になっていました。
参考:Front. Psychol., 28 July 2020 The Importance of Cursive Handwriting Over Typewriting for Learning in the Classroom: A High-Density EEG Study of 12-Year-Old Children and Young Adults
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2020.01810/full
ちなみに、デジタルペンで書いた場合でも、手書きと同じような脳の活性化が認められたそうです。
デジタル VS アナログ という問題ではなく、手の感覚を使って書いたかどうかが重要なようです。
余談:手書きは記憶の定着にも効果を発揮する
脳のさまざまな領域が関わることによって、手書きは記憶の定着にも有利に働くことが確認されています。アメリカのプリンストン大学とカリフォルニア大学が学生を対象に行った研究によれば、ノートパソコンで講義録を取ったグループは、手書きで講義録を取ったグループに比べて、理解度テストの結果が大幅に低い結果となりました。
参考:The New York Times Nov. 22, 2017 Laptops Are Great. But Not During a Lecture or a Meeting.





大学生の講義録は、ノートパソコンが主流となっていますが
いずれ筆記に回帰するかも知れませんね
ジャーナリングがもたらすメリット3つ


漠然としたモヤモヤの整理・再構築でストレス軽減
我々は日常生活のなかで、さまざまなストレスに晒されています。言語化されていなくても、心の中には日々さまざまな感情が、澱(おり)のように溜まっています。
それを自由に書き出すことは、以下のような効果が期待できます。
・出来事に対する気持ちの整理
・漠然とした考えを言語化し、再構成する
・見過ごしていたことに気付ける
・ありのままの自分を受け入れられる
手書きによるストレス緩和は、もともとメンタルケアの現場から効果が認められた手法とも言われています。
精神的なトラウマを抱える人が、記憶の書き起こしによってストレスが軽減されたという臨床結果もあります。
テキサス大学の心理学者であるジェームズ・ペンベイカーは、大学生を対象に自身のトラウマ体験を4日間15分ずつジャーナリング(エクスプレッシブ・ライティングとも表現される)してもらいました。その結果、被験者たちには健康センターに通う回数の減少と病欠の減少、気分の改善が見られたそうです。報告では「身体的健康に効果があった」とされています。
参考:Pennebaker, J. W., & Beall, S. K. (1986). Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease. Journal of Abnormal Psychology, 95(3), 274–281.
https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2F0021-843X.95.3.274
思ってもいなかった発想が生まれる
ジャーナリングを続けていくと、自分が意識していなかった言葉が出てきます。
習慣化することで、課題の解決法や、新しいアイディアなど、たくさんの気付きが得られるはずです。



一回で何もかも解決に導けるようなものではありませんので、その点はご注意を
また、自分のうちに秘めた願望に気づくこともあります。
「自分は本当はこんなことがしたかったのか」という発見にもなるでしょう。
過大評価・過小評価が修正され、自己肯定感が高まる
特に劣等感を感じやすい方にこそ、ジャーナリングをオススメしたい。
もしあなたが、こんな特徴をお持ちでしたら、この手法はきっとお役に立つはずです。
・他人の実力や、直面する課題を実際より大きく評価しがち
・自分自身のことを過小評価しがち



僕も元々そうなのです…
だからこそ、これまでジャーナリングの習慣には助けられてきたと感じています。
現状について書き出すことで、過大・過小な偏った主観が、少しずつ修正されていきます。いわば、より”ニュートラルなものの見方”に近づくことができます。
特に自分自身の再評価はぜひやってみてください。


こんなふうに、自分の見つめ直しにつながります。



無意識の劣等感や、コンプレックスを感じている際は、ぜひお試しいただきたいです
とてもかんたん! 「ジャーナリング」のやり方


用意するのはたったこれだけ
ジャーナリングに必要なものはこれだけです。
・ノート
・ペン
・静かな部屋
・5−15分の時間
ノートは大学ノートでも、チラシの裏でもいいです。
ちなみに僕が使っているのは、このノートとフリクションボールペンです。




ウェットティッシュで擦ると文字が一瞬で消せます。書いた内容はスマホで撮るとクラウドにきれいに保存できて、「オトナの自由帳」みたいな感じで気に入ってます。



もうかれこれ5年ぐらい使い続けてます
心の制限を外して書くに任せる
テーマを決めてみましょう。いま取り組んでいる課題でもいいですし、叶えたいことでもいいです。
こちらは書くことが無いときのための一例です。
- 自分が社長だったら
- 5億円手に入れたら
- 住む場所を自由に選べたら
- この10年で前に進んだこと
- 出来ればやりたくないこと etc…
誰に見せることもないので、書いてはいけないことなど何もありません。



思いつくまま、そのものを紙面に落とし込んでいきましょう
ただし、事実や素直な気持ちをありのままに書くこと。脚色は駄目です。
時間内で手を止めない
誰の邪魔も受けない静かなところで、手を止めずに書き続けるのがジャーナリングのポイントです。
1回は5分〜20分くらいで充分です。
その間は、なるべく考え込まずに書き続けてみてください。
「手が動くに任せる」という感覚です。書きながらブツブツ話しても良いですね。
誤字があっても気にしない。消しゴムをかけると、次の言葉がせき止められるので、思考の奔流に身を委ねましょう。
朝と夜のジャーナリング
朝は一日で一番頭がスッキリしています。いわば、睡眠で脳の情報整理が完了した状態です。そのため、より創造的な発想が生まれることが多いです。



ビジネスのアイディアや課題などのテーマについて書くのも良いかもしれません
また、寝る前に行うのはメンタルケアの面で効果的です。
夜の脳は、日中に比べて無防備と言われています。睡眠の直前に考えたことは、頭に残りやすいとも言われています。
この時に、今日一日や今週がんばったことをジャーナリングで書き出してみましょう。ポジティブな発想が、寝る前の頭に染み込んでいきます。
繰り返すことで、自己認識や状況の捉え方が少しずつ変わっていくと思います。



自分で自分を救うことにつながります
心が極度に疲弊している時は医療機関に相談を
ジャーナリングはストレスの軽減にもなりますし、自己肯定感を高めることにもつながります。しかし、それは心が平常に近い状態であってこそ。
極度に心身が疲れていると、視野も発想も狭まります。
「こうなるしかない」「もうだめだ」としか考えられない状態では、さまざまな言葉が自身の内から湧き出る感覚を得づらいかも知れません。
その場合は自分で治そうとせず、医療機関を受診してください。
その過程で、医学的な所見の元でジャーナリングを改めて行ってみる方が良いと思います。
ジャーナリングまとめ
以上、ジャーナリングについて解説してきました
要点をまとめます
- ジャーナリングは”書く瞑想”とも呼ばれるメソッドである
- 自分の思いつくままに一定時間で書き続けることで、ストレス軽減やアイディア創造、自己受容につながる
- その効果は様々な学術研究で証明されている
- ノート、ペン、静かな環境があればかんたんに出来る



実践自体のハードルはとても低いですし、お金もいらないのでぜひやってみてください!
ジャーナリングについてもっと詳しく知りたい方は、この2冊の書籍がとても参考になるのでオススメです。
ぜひ手に取って見てください。


この記事があなたのモヤモヤした感情を晴らして、前を向くヒントになっていれば幸いです。
明日もあなたにとって良い日になりますように!
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