
・歯並びが悪くて歯列矯正を検討している
・体験した人の感想を知りたい
・どんな視点で矯正歯科を選んだらいいかな
こんなお悩みを持った方向けの記事です。
筆者のサナトは、大人になってから歯列矯正しました。
歯列矯正の費用は100万円前後とも言われますが、その価値は十分あったと感じています。
その体験から得られた内容を、この記事でシェアしたいと思います。これから歯列矯正をやろうと考えているあなたにとって、この記事が少しでもご参考になれば幸いです。
- 実際に歯並びのコンプレックスは解消されたか
- 矯正の種類、相場と期間はどれぐらいか
- 実際に体験して感じたメリットとデメリット
- 体験者が、仮にもう一度矯正をやり直すとしたらどう考えるか
以下の目次をクリックして、好きなところからお読みください。
歯列矯正は長年のコンプレックスを解消してくれた
僕は20代前半で歯列矯正をしました。結論から言うと、結果には大変満足しています。
大学病院でしっかりと治療をして頂き、おかげさまで中学生の頃から気になっていた”出っ歯コンプレックス”が解消されました。
親に借金をしてでも、もっと早くやれば良かったと思いました。



高校生の時に歯並びが良かったら、違う青春があったのでは…とか考えないでもないです



いや〜、ないない(笑)
僕がやったのは上下の抜歯4本とワイヤー矯正のセットです。
治療には、トータル3年ちょっと掛かりました。費用は120万円ほどでした。
なぜ歯列矯正をしたのか?
歯列矯正は虫歯治療と違って、必ずしもやらなければならないことではありません。
それでも最近は、歯列矯正を行う大人の方が増えています。
治療の選択肢が増えたことと、コンプレックスの改善というのが大きいと思います。僕自身もそうでした。
親指しゃぶり歴6年! 前歯が突出
物心ついた頃から、僕は親指をしゃぶる癖がありました。
これは出っ歯の原因としてかなり多いものだそうです。
うちの親は「そのうち辞めるだろう」と思って見守ってくれていたのですが…
結局、小学1年生か2年生ぐらいまで、寝る前はしゃぶっていました。



ええぇ・・・引くわ



ちなみに、タオルとかスリーパーの噛み癖も、出っ歯の要因になることもあるそうです



!!
出っ歯が気になり、笑う時は口元を手で隠す癖が
思春期になって出っ歯が気になってきました。
軽い「口ゴボ」というやつですね。
写真を撮られても、高校以降は口を閉じるような写真が多かったり、笑っても口元を手で隠すような仕草をしていました。
自意識過剰になる時期でもありました。



その頃の影響で、今でも笑う際に口を手で隠す癖が残っています
出っ歯を自力で治すのは無理だった
僕は高校時代、暇さえあれば前歯を親指で押したり、割り箸を当てたりしていました。



涙ぐましい努力



しかし、一向に前歯の突出は改善されませんでした!
矯正歯科で取り付けてもらう器具は、四六時中、一定の方向へ向かって力を加え続けることで効果を発揮します。マウスピース型の矯正でも、毎日20時間は取り付けるよう推奨されています。
そこまでやって、初めて歯は動くものなのです。
気がついた時に親指で押す程度では、焼け石に水です。力の強さも方向も一定ではありませんし、まぁハッキリ言って時間を無駄にしました。
これは後で歯医者さんに教えて頂いたことですが、我流で出っ歯を治すのは大変危険です。効果がほぼ見込めないだけでなく、歯がぐらついたり欠損する原因にもなりかねません。



そこまで気になる場合は、やはり専門の矯正歯科に相談してみましょう
割り箸で噛み合わせを整えることは出来るとも言われていますが、僕のように上下の顎の大きさに対して歯が多すぎる等の問題は解決できません。
歯並びの悪さは虫歯の原因にも
歯並びが悪いと、見た目の以外にも様々な問題があります。
特に出っ歯で口が閉じづらいと、こんなリスクにつながります。
・歯磨きがしづらい、歯垢が残りやすい
・口を閉じて寝られないと、唾液による再石灰化が行われにくくなる
・口内が乾燥すると歯周病菌が活性化する
僕は前歯が出ていたことと、さらに子供の頃はアレルギー性鼻炎だったこともあって、自然と口呼吸で寝る癖がついていました。その結果、これらのリスクが高い状態になっていました。
見た目のコンプレックスに加えて、上記を総合的に考えた結果、僕は歯列矯正を行うことにしたのです。
歯列矯正の種類と料金相場
矯正の種類によって料金相場が違いますが、平均して100万円ほどは覚悟が必要です。
おおよその金額感をまとめたのがこちらです。
歯列矯正の種類 | 相場 | 治療期間の目安 |
ワイヤー矯正 | 70~110万円 | 1~3年 |
裏側ワイヤー矯正 | 100~160万円 | 1~3年 |
マウスピース(インビザライン) | 80万~100万円 | 1~3年 |



やっぱり値が張るな・・・!!



部分矯正はもう少し安いですけどね
ワイヤー矯正・・・もっとも一般的です。抜歯を伴う大掛かりな矯正はこの方式で行うことが多いようです。実際に僕も4本抜歯し、表側にワイヤーを付けました。表側の方が料金が安いです。
裏側ワイヤー矯正・・・その名の通り、歯の裏側にワイヤーと装置を付けるものです。治療中であることがほぼ気付かれません。ただ、かなり高度な技術が必要で値も張ります。芸能人でこの方式の方が多いとか。
マウスピース・・・口に嵌めるタイプの矯正器具です。飲食時は外す事が出来ますが、1日20時間は付けていることが推奨されます。インビザラインが最もメジャーなタイプのマウスピース型矯正で、こちらもパッと見は気づかれにくいです。
美容目的の治療ではなく、医療目的の治療の場合と認定されれば、医療費控除を受ける事が出来ます。確定申告によって、ご自身の所得税率に応じた金額が還付されます。クリニックにぜひ相談してみてください。
大学歯科で歯列矯正を終えて感じたメリット・デメリット


僕は前述のとおりワイヤー矯正を3年ほどやりました。20代前半のことです。
それから10年以上の月日が経ちました。
以下は僕が実際に治療を終えて10年経ち、感じているメリットとデメリットです。
歯列矯正を実際に終えて感じたメリット3つ
僕が感じたメリットは以下3つです。これらは歯並びが元に戻らない限り、ずっと享受できるメリットです。
1.コンプが克服できて、自信が回復した
これが本当に一番です。僕は矯正をして本当に良かったと思っています。
・他人と会話する時
・写真を撮られる時
・楽しい話をして笑う時
これらの場面で、「自分の歯」について1mmも不安がよぎらなくなったのは大きいです。のちの行動も少しずつ変わっていったと思います。
行動が変われば、本来は得られなかった経験も得られます。実際、そう感じたことが何度もありました。



これはあくまでも僕の感じたことなので、矯正した方がみんな同じ感想を抱くとは言っていません。ただ、自分の負い目を一つ潰せるというのは、前向きになれるきっかけになりえます
自分の歯について何も感じていない人は矯正などする必要はありませんが、強いコンプレックスを抱いているのであれば、前向きに検討する価値はあると思います。
そして、人生の時間は限られています。
そのなかで矯正は1〜3年間という長い期間を必要とします。
長い年月、悩んだ末にやると決めるぐらいだったら、早めに決断した方が「矯正後」の人生の期間がより長くなります。
2.口を閉じやすくなり、口内リスクが減少


これは先ほどの裏返しですね。
口を閉じて眠れるようになりました。それによって下記のメリットが得られました。
・口内が乾燥しづらくなった
・口臭リスクが減少
・虫歯リスクがやや減少
ただし、虫歯リスクが減るのは治療を終えたあとの話です!
ワイヤー矯正中には逆に虫歯リスクが増大していました。これはのちのデメリットで詳しく書きたいと思います。



また、僕は矯正後も虫歯が出来てしまいましたので、虫歯については、リスクやや減少としました
3.喉の粘膜を襲うリスクが減少
出っ歯が治ったことによる間接的なメリットです。
先ほど述べたとおり、口を閉じて眠れるようになったので、鼻呼吸が癖になりました。
鼻呼吸では、毛や粘膜がウィルス・バイ菌が体内に入るのを阻止するフィルターになってくれます。
それに対して、口呼吸はダイレクトにそれらを取り込んでしまいます。また、喉が乾燥するとウィルスが繁殖しやすくなり、風邪などの健康リスクが増大します。
そのため、口を閉じて鼻呼吸で眠ることは非常にメリットが大きいのです。



実際、出先のホテルに泊まった時などに、喉の乾燥で悩むことが少なくなったと思います
歯列矯正を実際に終えて感じたデメリット3つ
以下はデメリット3つです。ただ、いずれも歯列矯正中に起こることであり、治療が終わればこれらのデメリットは無くなります。
1.ワイヤー矯正は目立つ


これが実際に付けていたときの僕の口元です。笑うと必ずギラリと光りました。
歯列矯正は年単位の時間が掛かるので、この期間が長いのもちょっとイヤでしたね。
ただ、最近は銀色だけではなく、目立ちにくい色の器具も登場しており、以前より審美的なハードルは下がっていると言えます。
2.矯正サイクルの開始2日間はとても痛い
歯列矯正では、ワイヤーやマウスピースなどの装置を取り付けて歯を動かします。
動いたらまた1−2ヶ月で装置を再調整してもらい、”締めて”いきます。
この1−2ヶ月のサイクルの最初の2日間が、とにかく毎回痛いです。
これはやったことのある人にしか分からない、独特な痛み。



たとえばどれぐらい?



うどんやパスタでも噛み切るのに苦労するほどです。味噌汁の豆腐ならギリ良いかな、という感じですね。
この期間は、お茶漬けとか、口に入れてホロホロ溶けるようなものを食べて凌いでいました。
その2日を過ぎると痛みのピークが遠のき、普段どおり噛める生活が戻ってきます。そして1−2ヶ月経ったらまた矯正歯科の先生に装置を調整してもらうという感じです。
3.歯列の矯正中、虫歯リスクが増大した



最初に言っておきますが、これは僕が悪いです
器具の装着中はワイヤーのかげや装置の横など、普段よりもブラシが届きづらい状態になります。その状態で、十分に歯磨きをやり切れませんでした。当時はまだマウスウォッシュを使ってもいませんでした。
そのため、僕が矯正歯科に行くと、たびたび新しい虫歯が見つかっていました。すると、矯正より先に虫歯治療を行うということになっていました。
このようなリスクがあることは頭の片隅に置いていた方が良いかも知れません。
マスク社会の今は矯正のチャンス?
2020年からコロナ禍によってマスク装着が一般的になりました。
これにより、矯正治療中であることが分かりづらくなっています。今はある意味でチャンスと言える時期なのかも知れません。



実際に、コロナ禍で矯正歯科に掛かる人数は増えているそうですよ
厚生労働省の薬事工業生産動態統計によると、矯正治療用のワイヤや、ワイヤを通すため歯の表面に装着するブラケットなどの国内出荷数は、新型コロナの感染が広がった20年は前年比微減だったが、21年(速報値)は19年の年間出荷数をワイヤが34%、ブラケットなどが15%上回った。矯正器材を扱うある企業も、20年の出荷額は19年比で1割減だったが、21年は同約1・2倍。担当者は「コロナ禍で歯科医院に行く人も一時的に減ったが、その後は『マスクで隠れるうちに治療しよう』という需要で数字が伸びている」と分析する。
引用:毎日新聞 2022/4/2 歯列矯正、マスク生活でチャレンジしやすく トラブルも増加中
この記事にあるように、歯列矯正はリスクもあります。
治療は高額なので、歯科選びは慎重に行ってください。ちなみにこの記事では、医者選びの一つの目安として、日本矯正歯科学会の認定医であることを確かめるよう述べています。
自分が今から歯列矯正をするなら、どうするか



仮に今、元の歯の状態だったとしたら、やっぱり矯正する?



絶対にします。僕が治療を受けた当時より選択肢も広がっていますし、メリットの方がでかいと思っているので
例えば今からもう一度矯正するとしても、僕は抜歯が伴う治療だったので、ワイヤー矯正となるでしょう。
マスク社会が続いているなら、値段のこともあるので表側のワイヤー矯正を選ぶかなと思います。ただし、その際は銀色の器具ではなく、目立ちにくい乳白色の器具を選ぶと思います。
また、ワイヤー治療の場合は、矯正と虫歯治療がどちらも行える歯科医を選びます。



これは本当に重要です! わざわざ矯正と虫歯で違う場所に通うのは、メチャクチャ手間ですから
そして、もしも抜歯がなければ、マウスピースでの矯正はかなり魅力的ですね。
自宅にいながらオンラインでカウンセリングも受けられる医院もあるので、ひとまず話だけ聴いてみるのも良いと思います。例えば、こちらの歯科はカウンセリング自体は無料で受けられます。
今はいろんな選択肢があるので、自分のライフスタイルや予算と相談しながら、最適なものをお探しください。
歯列矯正のメリットデメリットまとめ
以上、実際にサナトの体験をもとにメリット・デメリットなどを紹介してきました。
かんたんにまとめます。
- 歯列矯正の費用は高いが、その価値ありと感じている
- メリットはコンプレックスの解消、口内リスクの減少など長く持続する
- デメリットは目立つ、痛む、虫歯リスクなど一時的なもの
- マスク社会はワイヤー矯正でも目立たないので、チャンスとも言える
- 抜歯が無ければマウスピースを検討しても良い
- 歯科選びは慎重に
ここで語ってきたことはあくまでもサナト個人の感想ですので、全てを鵜呑みにすることなく、必ず医者選びや矯正の検討は慎重に行ってください。
あなたの歯のコンプレックスが解消されることを祈っています。
明日もあなたにとって良い日になりますように!
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